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交渉の奥義『ミスリードトリック』その2 弁護士堀鉄平

『ミスリードトリック』その2 弁護士堀鉄平

(その1の続きです)

~女性に対しても応用可能~

さて、前回は時効の中断に関して、
債務者の債務承認を取ることが重要であるとお伝えしましたが、

そのようなケースでは、もしも私がZ社に対して、
「一〇〇万円の債権の存在を認めます」という
ストレートな書面にサインするよう求めたならば、
Z社は警戒レベルを引き上げて、「弁護士に相談します」とか
(その結果、時効が成立することに気付いてしまいます)、
「書面にはサインしません」と抵抗することになったことでしょう。

そこで、私の取った作戦は、

「御社(Z社)の資金繰り事情は理解しました。
MA社も、せっかくお店を使っていただいたお客様相手に
裁判まで起こすことは望んでおりません。
MA社の懐事情も芳しくはないのですが、
分割払いで結構ですので、円満に解決しませんか」

とZ社を納得させ、分割払いの合意書にサインしてもらったのです。

この分割払いの合意書は、
Z社が一〇〇万円を支払うことを分割ながらも認めるものですから、
当然時効の中断にあたります。

ここでの交渉のポイントは、分割払いを認めてあげる優しさと見せかけて、
実は債務者が気付かないうちに時効を中断させていたというミスリードトリックです。

好きな異性ができたときに、ストレートに「好きです」
「付き合ってください」と攻めて玉砕する人をよく見かけますが、
このミスリードトリックを使ってみてはいかがでしょうか。

相手を口説くようなことは一切せず、
ひたすらその人のために何かをしてあげるのです。

特に女性は、まだ恋愛モードに入っていない段階で強引に口説かれてしまうと、
なかなか気持ちがついていかないことが多いようです。

そこで、例えば、無償で仕事を手伝うとか、
相手が困っているときに励ましのメールをあげるとか、
本をプレゼントするなど、口説いていると思われない程度に優しさを伝えていくのです。

そうすると、計算や下心なしで、とても優しくしてくれるあなたに対して、
その人はいつか心を開いてくれるかもしれません。
ガツガツしていない優しい人だと見せて、実は、しっかり口説いているのです。

それでは、本日はここまでとします。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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