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『障害者の雇用に関する制度について』その① 弁護士 森 春輝

1 はじめに

平成30年4月1日から,
民間企業の障害者の法定雇用率が2.2%に引き上げられ,
障害者を雇用しなければならない企業の範囲が広がりました。
障害者の雇用については,「障害者の雇用の促進等に関する法律」
(以下,「障害者雇用促進法」といいます。)が
障害者雇用促進のための各種制度を定めています。

現代社会においては,障害を持つ方も等しく一人の個人として尊重されます。
働く意思がある障害者の方が働くことの出来るよう,
これらの制度が定められており,
一定規模以上の民間企業は障害者雇用に関する各種義務の対象となります。

そこで,今回は障害者の雇用に関する制度について簡単に解説いたします。

2 障害者雇用促進法

障害者雇用促進法は,事業主に対する障害者の雇用義務や法定雇用率(詳細は後述します。)の
設定等によって,障害者の方がその能力に適合する職業に就けるようにし,
障害者の方の職業の安定を図ることを目的としています。

障害者を特別視するのではなく,
一般社会の中で普通の生活が送れるような環境を整え,
共に生きる社会こそノーマルな社会であるとの考え方(ノーマライゼーション)をもとに,
障害者もその能力に適合する職業に就き,
社会の一員として活動することが望ましいという考え方に基づくものです。

そのため,障害者雇用促進法は,
企業や自治体等に障害者の雇用を義務付け,障害者の法定雇用率を設定し,
また,採用,昇進等の場面における障害者の差別禁止や合理的配慮を求めています。

(その②に続きます!)

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