~ エビデンスを求める効果 ~ その1 弁護士 堀 鉄平
危急の場合こそ、客観的に
さて、今回は、交渉時には、必ずや相手方に対して
「エビデンスを求めろ」ということをご紹介いたします。
エビデンスとは、証拠・根拠となり得る、
客観的な資料、証言、形跡などを意味します。
もしもあなたのもとに、
「息子さんが交通事故を起こして、妊婦さんを轢き殺てしまいました。
今すぐに三〇〇万円の示談金を用意しないと、
息子さんは刑務所に行くことになります。」と、
弁護士を装った振り込み詐欺の電話がかかってきたとしたら、どうしますか。
あなたに息子がいて、その息子がたまたま車で出掛けた日に
電話がかかってきたのだとしたら、内心焦るでしょう。
本当に事故を起こしたのかもしれないと…
このようなときは、電話越しの「弁護士」に対して、
事故の時刻、場所、被害者の氏名、被害状況などを詳細に聞き取りしてください。
「弁護士」からは、「そのようなことに答えている時間的余裕はありません!」
等反論してくると思われますが、これに対しては、
「三〇〇万円もの大金を支払うには、事故のエビデンスがないと支払えません」
と言っていただいて構いません。
このように、相手の言う内容に疑義があるときには、
エビデンスを求めて白黒を明確にすることが効果的です。
仮に相手の言うことが実は正しかったとしても、
そのエビデンスが出てきてから対応すれば十分なのです。
(その2に続きます!)