弁護士堀鉄平の交渉の奥義! “相手を納得させるストーリーを” その①
筋書きのある説得
さて、今回は、「ストーリーを作って説得せよ」
という技術をご紹介いたします。
ストーリーと言っても、
何も感動を呼び起こすような秘話を作り出して、
相手を泣かせて説得せよというわけではありません。
相手が納得する筋書があれば足りるのです。
逆に、筋書のないドラマは、見ていて面白いかもしれませんが、
ひたすら長かったり、道筋が妙に曲がりくねっていたりで、聞き手は不安です。
最短かつ論理的な道筋を示されることで、
人は説得されるのではないでしょうか。
例を挙げましょう。
ある営業マンが、私に「先生の事務所のプロモーションビデオを作りませんか?」
「いまどきホームページに動画を載せるくらいどこの会社もやっていますし。」
という営業を仕掛けてきたとします。
これでは、全く説得されません。
この営業マンのロジックは、
「どこの会社でもホームページに動画を載せている
→私の事務所でも動画を作るべき」のみです。
ストーリーがないのです。
これでは、
①そもそも本当にどこの会社もホームページに動画を載せているのだろうか?
②仮に全ての会社のホームページに動画があったとしても、
なぜ当事務所も作らないといけないのか?
について、納得ができません。納得ができないとお金は出しません。
優秀な営業マンは、例えばこう言います。
「なぜ、〇〇学園が偏差値を45→70に上げることができたのかわかりますか?」
「〇〇学園は、授業風景の動画をホームページに載せることで、
父兄に所属教師のクオリティの高さを伝え、父兄の人気を得ることに成功し、
その結果入試志願者が殺到して競争率が上がり偏差値がアップしたのです。」
「先生の事務所のホームページにも動画を載せると、
先生の人柄に共感を抱いた顧客の依頼を増やすことができますよ。」
といった具合にストーリーを織り交ぜて説得してきます。
(その②に続きます!次回はストーリーを作るときのポイントを解説いたします。)